イノリーマスの森 全容
赤い靴、サードミニアルバム『イノリーマスの森』発売日まで、あと10日!
ということで、
勝手にレビューを書きたいと思います。
こういうのは、普通皆さんにCDを聴いて頂いた後に書いて読むものですよね?
多分。
しかし、なぜか今書いてしまいました。
理由は最近疲れて早く寝てしまう事が多いのですが、今夜はやけに目が冴えているからです。
という事で、今回の製作全容を。
『イノリーマスの森ができるまで』
まず、今回のアルバムを作りの本格的な作業を始めたのは、2012年12月。
赤い靴は、大橋トリオの所属している事務所のインディーレーベルに属しておりまして。神谷が今年2013年(もうすぐ始まる)大橋トリオ`Pulugedツアー`参加が確定した、その時であります。
いきなり話がリアル過ぎますが、
非常にCDの内容とは関係ない話になってしまいますが、宣伝費が少ない昨今、今回全国ツアーを回りながら、赤い靴を各地ほんの少しでも広められるというチャンスをここで活かせたら、という事を含め、このタイミングは事務所や大橋先輩の温かい計らいでもありました。ありがとうございます。
とは言えど!
もちろんそこから曲を作り始めた訳ではありません。
前回のアルバム発売以降から、日々書いた曲達は徐々に増えており、ほぼ全ての楽曲は揃っておりました。大体二人のストックを合わせると15曲位はあったと思う。
その中から選んで、少しずつ完成されていった曲達。
色々エピソードを交えてお話ししませう。
あくまでも、神谷的に視点でございます。
まず、今回のアルバムで最初に出来た曲、プッシュトラックにもなっている、
M2『赤い風船』
これは、恐らく2012年の春には出来ていた東川ストックの中の一曲。
これは、実は東川がある方に書いた曲でありました。
その話も流れ流れ、これはいつか赤い靴でやりたい!と思いながら、
でも、東川が歌うにはメロも、キーもアレンジも変えなければ、、
という。
まずアレンジが1番大変だった曲であります。
神谷が手を加えたのは、サビメロの滑らかさ(洋楽に値し、邦楽に値する比重)、そして、イントロ。
一時期、Sea Bearsにハマりしていた頃には、この曲は最初もっとエレキな曲でありました。
コーラスによるイントロが最終的に出来たのは、なんとドラム録りやピアノ録りが終わった後!
最初は、前回のアルバム、書を持ち〜と同じようなピアノイントロでした。
サビに歌っていたコーラス群がもっと印象的にならないかと、
イントロでも歌う事に。
その為に他の楽器の入り方をエディットして出来ました。
エンディングをあえて3拍子にしたのは、赤い靴らしさを出したいという、それだけ。きっかけは!
東川の横でメロを歌いながらピアノを弾いて貰い、エンディングを作成しました。
マンドリンはシーヤブラウン、
本当はアコギの予定でしたが、一応マンドリンを持参して欲しいとお願いしていて、当時ふとマンドリンやりましょう!とお願い。
このマンドリンが入る
ベースは大橋トリオ。
大橋さんはかなりお忙しかったこともあり、大橋さんベースが録音されたのは、マスタリング3日前!
そんな大橋さんのウッドベースが入って一気にリズムにノリが生まれました。
僕は、大橋さんの弾くベースが凄く好きなんです笑
特に大橋さんのレコーディングで1番楽しい瞬間は、リズム隊同時にレコーディングする時!
いつもノリノリです。
大橋さん、リズム感が半端ない。
歌詞はすんなり出来ました。
多分1時間位。
土臭さと、クールさを出す為のピアノフレーズを何度もトライしました。そんな東川のピアノが特に冴えます!
いつか皆でライブで合宿したいです!ツアーまでにみなさんコーラス練、よろしくお願いします!!
M1『ヒルニナルレイン』
アルバムのオープニングを飾るこの曲は2012年の春に、神谷が地元のハードオフで購入した、アラブのタンバリンを録音したいがら為に出来た曲でした。
1番しかなく、もっとゆっくりなサイケな曲でしたが、
その上に、WILCOみたいなドラムが入ったらどうなるのかなと、試す事に。
それを入れてみた所、神谷サイケスイッチが入り、これまたアレンジが4転位して今回のアルバムのアレンジになりました。
最終的に、アラブのタンバリンは入っていないという笑
このタンバリンには感謝してます。
ベースはハマ オカモト君。
自分でもベースを弾いてみたものの、疾走感というか、ロック感がでず、勇気を持って声をかけました。
ハマ君とは星野源さんのレコーディングで出会いました。
そこでしか一緒に演奏はした事がない、いわば特別なリズム隊なのですが、まさか赤い靴でも解禁。
歳は違えど、ルーツにブラックミュージック、心はロック、見た目はクールな頼れる男。
ルーツが似ていながら、違うラインを辿りながら出会った我々リズム隊。同時にレコーディングしてないのに、ハマ君、ピッタリ合わせてくれました。超ナイス!
東川は今回もバイオリン弾いてくれました。
ピアノリフ含め、一瞬神谷が全てやろうかと思いつめたのですが、
やはり東川に弾いて貰えると迫力が断然変わりました。これまた、ピアノが冴えてます。
歌詞は、自転車の歌詞にしたく、何度もトライ。
ヒルニナルレイン、造語です。
なぜか造語、得意です。
M5『Tick Tack』
東川が作ったイントロリフをどうにか曲に出来ないかと、僕がそれをサビメロにまんま使う事を決め、A-Bメロを東川がピアノに座る横で、神谷がウザイ位リックアストリーのモノマネをして歌って出来た曲。
これは、最初打ち込み80Sガチガチ系でゆく予定で作っており、
そのトラックも存在はします笑
しかしながら、すんなりアレンジバージョンを作ってみた所東川に好評を得て、 こちらになりました。何より、歌が見えて来て凄く納得。
サビメロの中のブラスリフは、昔Wild belleというユニットを聴いた時に、いつかバリトンサックス入れたいなーなんて思ってたのを実現したく、今回バリトンのリフをいれてみました。同時にピアノでもユニゾンをしてます。
何気に神谷もピアノソロのみ弾いてます。何気にこういうリズムの曲が好きなんです。
僕が大好きな、矢野顕子さんのReverbに入っているMoney Songとか勝手に思い出します。
歌詞、最初は寝坊の曲でした。
東川に歌って貰った所、全く寝坊をしない東川に申し訳なくなり、唯一しっくり来た「時計」という言葉の部分の広げて歌詞を改定。
桜の咲き始める季節に任せて出来た明るい曲になりました。
追記
ウイーウ!というコーラスのみ、若干リックアストリーの名残があります。笑
いつもの物語
これは、神谷はほぼアレンジというようなアレンジはしてません。
もとの弾き語りデモの時点で良かったので、あえて東川に弦のアレンジなどをして貰い、そのままレコーディングしました。
東川曰く、オーボエが肝だと。
Rumarを聴き込んでいた時期に作ったそうです。
一度録ったドラムになんだか個人的に納得がいかず(東川は良いと言っていた)部屋で全てのドラムパーツを別録りしてみたが、全く空気感がでず、東川の言葉を信じレコーディングしたドラムを採用。
ベースはガリバー鈴木。
ガリバーの70S好きなベースが冴えてます。ガリバーのベース、自分的には完全に、ホールアンドオーツのShe is goneみたいだと思ったのですが、東川は知りませんでした。カーン。間違えたチーン。
歌詞の方向はこの時点で出来てました。
最後に、羊毛さんのガッドギターを入れ、ハープのような甘い音色により本当に歌詞の方向が定まって行きました。
いつもの物語。
東川らしい、東川にしか書けない、優しい歌詞です。
歌詞のスペクタクルな展開部分には神谷のアイディアも入ってます。ちょこちょこウザイ神谷が意見しに現れます。
M6『MoonShiner』
この曲は、東川の作った新曲ストックに入っていた曲。恐らく去年の初夏には完成していました。
曲選考する時に、一瞬決定に時間がかかりましたが、まずはアレンジをしてみる事に。
ふと思いついたコーラスイントロの効果が想像を膨らませ、一昨年東川と観に行った、クレアマルダーのライブのような、分担演奏しているようなハーフタイムのPopなアレンジにしてみたく、1コーラス完成。
ただ、ずっとこの調子でゆくにはなかなかもたない気がしたので、二番、三番と行くにつれて、段々と展開を増やしました。
この曲のギターソロは、デモで弾いた神谷の下手な奇跡のソロがそのまま採用。
最終これを東川に聴かせたときは、スカンチみたいだと何度も喜ばれましたが、自分はJon Brionみたいやファズのソロを弾きたいと思い弾いたので、なんだか、スカンチとJon Brionは意外と近いのかもしれないと、お互い納得したのでした。
バイオリンベースを弾いてくれたのは隅倉弘至さん。
箱ベースでこういう曲を理解してくれるのは隅さんしかいない!!という事で、本当思惑とおりの素敵なベースをボンボン弾いてくれました。因に隅さんは同じ小学校の9つ上の先輩です。
歌詞はジャケを書いてくれた、山中君。彼は音楽好きギタリストでもあり、前回のアルバムでもWaltz of〜の素敵な歌詞を書いてくれています。
彼に歌詞を書いて貰うと、ジャケが輝くのです。
やはり、一緒に共有して作って行くので、本当毎回、ジャケを含め、彼とのやりとりは本当重要だったりします。
アルバムの完成版を最初に聴かせたのも山中君。目をキラキラさせて聴いてくれました。その顔が忘れられない。
最後に、
M3『A Way』
この曲は、アルバム製作時期に入った頃に出来た曲。
ふと、ギターを持ち曲を作りはじめてみて、サビメロがいまいち決まらず、諦めて、朝五時に風呂に入って寝ようかという時にメロが降りて来て、そのまま、朝9時まで作業して完成した曲。
ギターはデモで弾いたものを採用したり、この曲に関しては、本当好きにやらせて貰いました。
東川の寛大さに感謝。
昨年から、祈り という言葉がずっと離れなくて、祈りの音楽を作りたく、そんな話をRyo Hamamotoと語った事がありました。
それを含め、それを理解してくれるのは彼しかいない、という事で、彼なりの辿り着く場所、祈りの歌詞を書いてくれました。
強く、答えのない、孤独な朴訥とした歌詞です。まさに、ピッタリ。
叫び、そして祈るようなコーラスには、Ryo Hamamoto、仲間のPadokにも参加して貰いました。沈むような東川のピアノ、ガリバーのベース、みな本領発揮。
自分の中で祈りの形の肝になる曲になっております。
(この曲に関しては英詞になりますので、日本語訳は後日このブログにアップします。)
そんな訳で、
祈りの音楽
↓
イノリーマスの森
が誕生致しました。
全ての曲に、それぞれの祈りの形が入っています。
それを是非見つけて欲しいです。
祈りの音楽、本当に色々な意味での原点回帰。
赤い靴サードミニアルバムにしての、我々としては、ようやくファーストアルバムが出来たような気持ちに溢れています。
前回のアルバムは、東川の作曲、神谷のアレンジという分担を割と徹底していたのですが、今回はコマドイルの時の原点に戻りつつ、いや、それ以上に2人のやりたい事をやってみちゃえ!!というアルバムになっています。
製作中、神谷が免許合宿で不在であったり、インフルエンザで寝込んでいたと思えば、青島に行ったり、色々ありましたが、そんな中、一番大事な歌録音に東川が集中して、最終的に時間をかけられた事も、結果的に気持ちよいアルバム製作になりました(ここにもまさに、色んな祈りが存在していた)。
どうか沢山聴いてやって下さい。
もっと全然色々書けるのですが、これでも手短に。
最後まで読んで頂きありがとうございました!
あなたの明日をイノリーマス。
そして、お楽しみに!!!!
イノリーマスの森、ダイジェスト試聴はコチラ↓
http://youtu.be/ssXsNiGeqjs
- 2013.04.28 Sunday
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