ぶた面

 深夜作業をしていると、気晴らしに近所のコンビニに行くのですが深夜に食べてよいものかいつも迷う。
昨日も結局うろうろして、飲み物だけを買って帰宅しようとしたのですが、ふと目に入った駄菓子コーナーの片隅にある「ぶためん」が妙に気になり購入して帰宅。
何年ぶりかの「ぶためん」をすすりながら、僕はある旅の事を思いだした。

時は2004年、僕と藤木(現ジャンクフジヤマ氏)はコンチネンタル航空の機内で100均で購入した英会話の本なんか読みながらニューヨークに向かっていた。
旅客機好きな自分としては、格安のアメリカの航空会社のサービスの悪さや機内食のまずさなど、むしろ楽しむ方で、この日もまずいフィッシュがビーフに塩こしょうをかけて食べてやろうかなんて思っていた。
しかしアメイカまでの長いフライト、がっつりな機内食以外にも軽食があるとの事で、何が出るのかなどはそこまで期待せずに、じっと待っていた。
しばらくすると、金髪のフライトアテンダ−トさんがなにやら配り始めた。僕はまあ乾いたサンドイッチか、乾いたおにぎりかと思ってはいたが、そこにまさかの「ぶためん」登場。
正直目を疑った。乾いた麺かよ。ここでそんなノスタルジーいらねー。
これから海外留学して、恋人と別れを告げてぐっとこらえながら日本の事を思い出している兄ちゃんや、これからアメリカという地で一発かましてやろうと意気込んですおっちゃん、新婚旅行にニューヨークに行くムーディーな雰囲気のカップル、そんな事はどうでもいい。僕らに微笑む笑顔のぶた麺のぶた面。
外人さん率50パーセントの機内はまたたくまにその香りに包まれ、同じ列の外人さんも小学校帰りの、ちょっと背伸びしたおやつをを当たり前のようにすすっている。
僕も、藤木も、この先の旅の事などふと忘れ、いつの間にか、昔懐かしい話に花が咲き、気がつけば、あの笑顔になっていた。
そ旅の飛行機での思い出はほとんどその事しか残っていない。

さよなら、さよなら、さよなら。 The Avalanches `Since I Left You`

  • 2012.07.27 Friday
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  • 02:07
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